踏ん切りがつかない悪い癖

銀行印イメージ

数年前、銀行印を作ろうと思っていた私は悩んでいました。
それは彫り込む字について、名前で作りたいとも思うけど、自分の苗字も気に入っている。
どっちで作るかについて悩んでいた。
友人や恋人にもポツポツ相談をしていたが、印材も含めてなかなか決まらなかった。

あんまり相談しすぎたせいか、各所から

「まだ決めてないの?そろそろ決めたら?」

という声が聞こえてきた。
特に恋人は数年来の付き合いで私がどういう人間だったかをよく知っているだけあってしょっちゅう確認してきた

「まだ決めてない?たしかジュエルストーン付いてるやつがいいんだよね?売り切れたりしない?」

ずっと聞いてきていた。

確かに宝石のついたはんこが気になっていた。
印鑑の通販サイトで見つけたオシャレで可愛い、そしてちょっと値段がはる印鑑。
最後の値段のせいでなかなか踏ん切りがつかなかった。在庫が少なかったのに。

ある日サイトを見てみると、ついに売り切れていた。
あぁ、売れちゃったんだ・・・。決めなかった自分が悪かったのだろうけどちょっとがっくりしてしまった。
肝心な時に自分では踏ん切りが付かない。自分の悪い癖だと思っていた。

後ろで恋人が笑いながら言う

「踏ん切りがつかないのは悪い癖だよ。でも、誰かが背中を押せば大丈夫なんだよね」

何かを持った手でポンポンと軽く頭を叩く。
手の中を見ると水色のキレイな印鑑ケース。あけてみると売り切れた印鑑がそこにあった。
名前は、恋人の苗字。
指輪じゃないけど私の事をよくわかっている恋人らしいプロポーズだった。

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